第56章 もっと大きな騒ぎを見たいか?

キキーッ!

鋭いブレーキ音と共に、走行していた車が急停止した。

運転手が緊張した面持ちで振り返る。

「福田さん、どうされました!?」

福田祐衣はバツが悪そうに、ゆっくりと視線を宮本陽叶の方へと向けた。

「あ、あの……知り合いを見かけてしまって」

「つい、うっかり止めてと叫んでしまいました……」

運転手は無言でバックミラー越しに困惑の表情を浮かべている。

宮本陽叶は眉間を指で軽く揉みほぐした。

福田祐衣の顔は恥ずかしさで火が出そうだった。彼女は唇をきつく引き結び、小声で詫びた。

「申し訳ありません、宮本社長。私、今夜はどうかしちゃってるみたいで」

「粗相ばかりして……」

...

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